JUNKレトロラジオ  HITACHI KH−1100

  


 オールディスクリートのレトロラジオです。最近のラジオではこもったような音になりがちなAMの音質が驚くほどクリアで聞き取りやすいです。
また、高感度なため、夜間になると遠方AM局もかなり入ります。「北京放送」や「ロシアの声」などの海外日本語放送受信できました。
FMも、ロッドアンテナをいっぱいに伸ばすと、近隣県の放送も入ります。
最近の数百円の安物携帯ラジオでは、地元局さえまともに入らないものもあるのに、昔の製品はホントに作りがしっかりしています。
 しかし、イヤホンをつないで聴くと全く低音が出ないです。内臓の小型SPではどうせ低音は出ないので、低音が出ないほうが省エネだし(直径5cmのスピーカーは低音信号から見ればただの抵抗)、音も割れないし、逆に良いのですが、イヤホンつないでFM聴くときには低音が欲しいです。

 某リサイクルショップのJUNK品コーナーにて、コンテナにガラガラ入れられて売られていた小物類の中で「NG、音出ません」で315円


ジャンクラジオは、電池の液漏れということもあるので一応電池ふたを開けるとまったく問題なし。それより電池ふたの隙間から見えるスピーカートランスのほうが問題(笑)。これは・・・!


裏側を見ると“TRANSISTOR RADIO”の表示が…。来た!予想的中!レトロラジオです。
ちょうど防災ラジオライトが棚からの落下により再起不能になったためにスピーカーで聞ける携帯ラジオがなかったという状況もあり、即買い!

 「NG、音出ません」とのことで、帰宅して電池を入れてみると確かに音が鳴りませんでした。そこで、FMになっていたバンドスイッチをAMに切り替えるとAMは普通に受信でき、FMもバンド切り替えスイッチをAMとFMの中間地点ほどにあわせると入るという状態でした。おそらく、リサイクルショップではFMモードで確認して音がならなかったためにNG扱いだったのだと思われます。
 出力段とか心配でしたが、バンドスイッチ以外に問題はありませんでした。それにスイッチも機能しているので、物理的な故障(接点がさびて折れてるとか)は全くなく、経年によるただの接触不良ということです。
 スイッチの接触不良ならば、小学生でも修理できます。電気接点用の洗浄剤(接点復活剤)を使えば直ります。早速修理です。


 昔のラジオは本当にふたが開けやすいですね。この機種はふたを止めるネジがありません。裏蓋側のツメが、ケース側の溝にはまることで裏蓋が固定される構造になっています。
冒頭の写真の本体背面左上の2つのネジは、FMアンテナ固定用でした。


 問題のスイッチです。横の隙間から接点復活剤を入れ、数十回スイッチをカチャカチャと動かし、隙間から出てきた汚れた液体をティッシュペーパーでふき取り、電源ON。かなり改善されましたが、まだ接触不良なので、もう一度接点復活剤を入れてカチャカチャ・・・。汚れた液体をふき取り、再び電源ON。問題なし。

修理完了。

 315円で、故障箇所がスイッチの接触不良だけのレトロラジオ入手できました・・・かなりラッキー。
  蓋を開けたついでに、中を見てみます。


 基板写真です。トランジスタを丸で囲ってみました。がチューナー系、黄緑がオーディオアンプ、水色がオーディオ出力です。
 それにしても携帯ラジオの蓋を開けて、ICが付いてないって、なんかいいです。
 トランジスタ、中間周波トランス、セラミックフィルター、セラミックコンデンサー、抵抗、スピーカートランス、ポリバリコン、バーアンテナ・・・。いやー、ほんとにいいですねー。IC世代の自分としては、オールディスクリートは逆に新鮮な感じがじます。

        基板拡大写真 ゆっくりご覧ください。

  
 オーディオアンプ部の黄緑で囲んだトランジスターです。現在でも販売されていて、電子工作の世界でもよく使用される有名なコンプリメンタリペアーですが、こんな昔からあったんだ・・・。驚きました。


 水色で囲った、出力段。筒型金属ケースのトランジスタなんて、現在じゃ売ってるの見たことないです。しかも低周波用PNPトランジスタ・・・。これは貴重ですね。2SB324・・・型番も時代を感じます。
 プラスチックパッケージのNPNトランジスタではスピーカーを鳴らすパワーがない時代ですね。
 このラジオよりもっと前の時代(FM放送がないころ)のAM専用トランジスタラジオは、すべて筒型金属ケースPNPトランジスタで構成されている機種を見たことあります。
 そして、このラジオより新しい時代の、プラスチックパッケージトランジスタでスピーカートランスをドライブするころの機種で、一部ICが使われているのも使ったことあります。小学生のころにSONYのMW・SW・FMの3バンドタイプのラジオを、SW_NGの状態で祖母にもらってFMを聴いていたのですが、壊れてしまったので処分してしまいました。レトロラジオの価値&電子回路がわからず、いずれ海外日本語放送の存在を知って短波受信機を欲しくなることも知らない、小学生のころの自分がにくいです(笑)。「昭和の古い家電は壊れていても価値がある」と、タイムマシンがあったら説教しに行きたいです(笑)

ご閲覧、ありがとうございました。