- 入力音量
-
回路に入力する信号の大きさを設定するつまみです。入力につなぐ機器の出力電圧に応じて、音が歪まない範囲で設定します。
低すぎるとコンプレッサーがほとんど働かず、高すぎるとコンプレッサーが激しく働き聴きづらい音になってしまいます。
- 出力音量
-
ウーファーアンプのボリュームとして働きます。使用頻度が最も高いつまみです。
(ウーファーアンプに音量調整機能がある場合は逆に全く使わないため、半固定にしておく、もしくは回路図から取り去ります。)
音量系の項目は、音量の調整以外にもコンプレッサーを積極的に働かせるか否かの調整にも使えます。
例えば、「夜だからウーファーのダイナミックレンジを狭めるために積極的に使いたい」場合は、入力音量は大きめにしておき、コンプレッサーがかかった音を出力音量で絞って聴くという設定になります。逆に「爆音で聴きたいけど、バスドラムが歪む」という場合は、出力音量をMAXにしておき入力音量でウーファーの音量を調整します。
- レシオ
-
AGCのフィードバック量を調整するつまみで、音量が上がっていった際にコンプレッサが緩やかに動作するのか強力に動作するのかを決めるます。
絞りきるとコンプレッサを無効にできます。逆に上げすぎるとコンプレッサというよりリミッター的な動作となり、曲によっては音が歪みます。
- スレッショルド
-
コンプレッサが効き始める電圧(音量)の調整です。
PA用のコンプではスレッショルドとレシオは独立していますが、この回路では回路を簡単にするためレシオに依存します。
私はスレッショルドを中間あたりにしてレシオで効き具合を調整してから、ウーファーアンプが歪まないぎりぎりまでスレッショルドを上げていくという調整をしています。
- アタック
-
コンプレッサが動作するスピードの調整です。この抵抗を小さくすると大音量入力時に急いで音量を絞り、逆に大きくするとゆっくり絞ります。
遅すぎるとウーファーアンプの歪み防止回路としての意味がなくなってしまい、速すぎると不自然になります。
- リリース
-
コンプレッサ動作状態から音量が復帰するスピードの調整です。この抵抗を小さくすると大音量終了後に急いで音量を戻し、逆に大きくするとゆっくり戻します。
遅すぎるといつまでも音量が戻らず、早すぎると入力波形の周期より早くコンプレッサが応答して波形が歪みます。歪まないぎりぎりまで小さくするのがお勧めです。
本回路はとにかく調整個所が多いという特徴があります。聴くジャンルや組み合わせるスピーカーに合わせてつまみを回す楽しみもありますが、2連を使うところ以外は必要に応じて一部を半固定抵抗器にしてしまうのもアリです。
自分はアタックとリリースは半固定にして写真のように弁当箱に組み立てています。音量は大きめのつまみを取り付け、操作性を向上させています。故障したアンプから部品取りしたため軸が長いタイプで、見た目は悪いですがスレッショルドつまみと重ねられてコンパクトに収まっています。