SR9910型 - ダイソー500円Bluetoothスピーカーの調査と分解

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SR9910 型ダイソー500円Bluetoothスピーカー
2019年末、ダイソーに行くとbluetoothスピーカーに新商品が登場!しかも500円です。
"BLUETOOTH SPEAKER 3" ではなく、
"BLUETOOTH SPEAKER (Portable Type) ブルートゥーススピーカー (ポータブルタイプ)"
ということで、新商品の位置づけです。
浴室での使用を意識した今までの600円スピーカーと異なり、本機はポータブルユースを想定したものです。
防滴ではありませんが持ち手があり、なんとmicroSD(TFカード)とUSBメモリが再生できます

それでは早速ダイソースピーカーシリーズ初となるメモリ再生機能を中心に機能調査、および分解を行っていきます。

<ご注意>

このサイトを参考に分解を行い、火災、感電等がおきましても筆者は一切責任を取ることはできません。必ず自己責任で実施してください。

無線機器の改造は法律により禁止されています。
このスピーカーはケースもセットでの技適と思われます。改造しなくても「分解した状態で電源を入れる」だけで違反となります。ご注意ください。

1、スペック

まずはスペックから確認していきます。
ダイソー500円スピーカー スペック
ピュアオーディオシステムのカタログで見かける、S/N比が書かれています。マニアを意識しているのでしょうか?

周波数特性は20Hz~とありますが、実際に音を聴いた感じでは、数百Hz~といった印象でした。
一方、中高域はかなりクリアに鳴ります。特に女性ボーカルとの相性が良いと感じました。

そしてついにダイソースピーカーも Bluetooth 5.0 になりましたが、相変わらず肝心の高音質コーデックは非対応です

コーデックについてスペックには書かれていませんが、スマホのBluetooth設定画面から確認可能です。
HDオーディオ非対応
Pixel 3a (androird 10 ダークテーマ)にて、ダイソー500円スピーカーに接続した場合と、高音質コーデックに対応したカーオーディオに接続した場合の表示を比較してみました。
カーオーディオは高音質コーデックを意味する『HDオーディオ』が表示されますが、500円スピーカーはSBCコーデックを意味する『メディアの音声』しか出てきていないことから、高音質コーデックは非対応と分かります。
ダイソー500円スピーカー 背面
操作ボタンは4つ、電源はスライドスイッチです。
SD/USB挿入口にカバーはありません。
ダイソースピーカーの特徴の一つ(笑)巨大技適マークも健在です。

±ボタンの操作は600円スピーカーと同じ短押し選局・長押し音量です。
ソースの選択はモードボタンでBluetooth/USB/SDを切り替えます。
また、Bluetooth再生中でもSD/USBを差し込むと自動でモードが切り替わり、メモリの音楽が再生されます。

microSD(TFcard)スロットは差し込み式で、差し込んでいくと「カチッ」と音がしてロックされ、もう一回押し込むとロックが外れるタイプです。ロック状態では後ろにSDカードは1mm程度しか飛び出さないため、引掛けて破損する恐れはなさそうです。

600円スピーカー2で専用ケーブルとなっていて不満だった充電端子は、普通のmicroUSB端子となっており市販のケーブルが使用可能です。

そして面白いのがペアリング音です。
ペアリング解除の音がWindows9x系のエラー音にしか聞こえません(笑)

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2、FAT系のメモリを認識・分割もOK

USBメモリ・SDの読み取り対応形式については取説に記載はないため、実験で確認してきます。
実験に使用するメモリ
実験には手元にある8GBのmicroSDHCカード、8GBのUSBメモリ、青春時代を共に過ごした512MBのUSBメモリを使用しました。

パソコンは Windows10 Pro 32bit 、フォーマットやパーティション分割はOS標準機能の『コンピュータの管理』および『右クリック フォーマット』を使用し、アロケーションユニットサイズはデフォルト値としています。

ファイルシステム

500円スピーカーで認識可能なファイルシステムを確認したところ
USB/SD共にFAT系のみの対応でした

USB/SDを下記のファイルシステムでフォーマットしたうえで、ルートフォルダにmp3ファイルを一曲保存し、500円スピーカーで再生できるかどうか実験しました。
結果を下表に示します。
ファイルシステム実験結果
なお、NTFSメモリを差し込んで認識されない場合のスピーカーの挙動は、空のUSBメモリを差し込んだ時のように "Play by USB drive/TFcard."とアナウンスが流れた直後に "Bluetooth mode."とアナウンスが流れ、自動でBluetoothに切り替わりました。

フォルダ分割

USBメモリ内がフォルダ分割されている場合、
サブフォルダ内まで音楽ファイルを探しに行って再生してくれます
ファイルシステム実験結果
音楽ファイルを整理する場合、ジャンル・アーティスト・アルバムなどで分割し、フォルダを何階層か作ることがあります。
今回は、4階層目まで作って実験してみました。
結果、丸数字で示した順番で再生され、フォルダ分けされていても、少なくとも4階層までは全てのファイルを読み込んでくれることがわかりました。
なお、YouTube動画撮影の関係で、DOVA-SYNDROMEさんのフリー音源を使用しています。

パーティション分割

フォルダ分割が行けるならパーティションはどうなるだろうと試してみたところ、
なんと論理ドライブも認識してフォルダ分割同様に音楽ファイルを探しに行ってくれます
パーティション実験結果
試しにパーティションを3つ作成し、ファイルシステムもFAT・FAT32・exFATとそれぞれ変えてみましたが、問題なく再生されました。
USBを差し込むとまず1つ目の論理ドライブに保存した曲が再生され、選曲+ボタンで丸数字で示した順番で再生されました。
選局操作も遅れることなく非常にスムーズでした。

3、非公式 wavが聴ける!?

次は再生できるファイル形式を実験していきます。
取説記載はあくまでもmp3
取説にはmp3形式のみ記載されていますが、昔所有していたノーブランドのmp3プレーヤーで取説に記載のないwavが再生できたことがあるため、500円スピーカーでも試してみることにしました。
今回はmp3以外にもいくつかのファイル形式を試してみました。

なんとこのスピーカー、1141kbps(CD音質)のwavファイルが再生できることが判明しました。

複数のファイル形式の音声ファイルを用意し、SDカードのルートフォルダに保存して試した結果を図に示します。
ファイル形式実験結果
図のファイル形式を試し、mp3以外にmp3の前身であるmp2、wavが再生できました。
wavが再生できるのは画期的であり、CDから取り込んだ音楽を無劣化で再生できることを意味しています。

なお、非対応のファイル形式はないものとして扱われスキップされました。

再生できるwavの音質は?

wavが聴けることが分かりましたので、どこまで高音質なwavを再生で来るのか実験してみました。
所有するUSBオーディオインタフェースと録音ソフトで組わせることができる、量子化ビット数とサンプリング周波数の異なる9種類のwavファイルを用意して試してみました。
wav音質実験結果
まともに再生できたのは44.1kHz・16bit(CD音質)だけでした。
48kHz・16bitと24bit・44.1KHz/48KHzも再生出来ましたが、歪っぽい音でデジタルノイズが聴こえます。
32bitなどの高音質ファイル形式はないものとして扱われ、スキップされました。

流石にこのスピーカーでハイレゾを聴こうと思う人は稀と思いますので、500円でCD音質が再生できるだけでも画期的と言えます。

音質や上記内容の選曲反応速度を動画で確認されたい方はこちら

※動画内の実験は実験条件が一部異なります

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4、分解

次は、中身を見ていきましょう。
ネットを外す
まずはサランネットを取り外します。
サランネットは4か所の穴へ棒が差し込まれる形で止められています。4隅を中心にマイナスの精密ドライバーをサランネットとケースの隙間に差し込み、少しずつ浮かせていくと外すことができます。
一気に外そうとするとケースが傷つきますので、少しずつ浮かせていくイメージで進めていきます。
スピーカーユニット
サランネットが外れると、スピーカーユニットが見えてきます。
スピーカーはモノラルです。もう一つスピーカーが取り付けられそうな場所が用意されており、「ステレオ用で設計したけれどモノラルで作りました」感満載です。

スピーカーは直径40mmのユニットが1個です。
ポータブルラジオなどで見かける音声用スピーカーと異なり、樹脂製のセンターキャップとウレタンエッジが使用され、音楽再生用に作られたユニットであることが分かります。

次にサランネットですが、内側プラスチックのネットが付いています。
プラスチックネットは点対称となっており、上下どちらにはめてもLEDと穴の位置が合うようになっています。

サランネット有り無しでの音質への影響ですが、プラスチックネットの穴の数が少ないためかサランネットを取り外した時の方が高域の抜けが良い印象です。
ポータブルしないならばサランネットを取り外して使用するのも良いでしょう。
スピーカーユニット
続いてケースを分解します。
サランネットがはめ込まれていた4隅の穴の中にある+ネジを取り外すとケースが2つに分れます。
中身の構造といい、ストラップといい、なんだかポータブルラジオを分解しているような気になります。

構成部品はバッテリー、基板1枚、スピーカーユニットの3点で、シンプルなつくりとなっています。
エンクロージャは密閉型、スピーカーは前カバーに接着されており、またマグネット背面を押さえつけてスピーカの振動を抑えてビビり音を防止する構造となっています。500円にしてはかなり考えて作られている印象です。
スピーカー背面
スピーカーは4Ω3W、マグネットも振動板の口径の割にはなかなか立派な物が付いている印象です。
しかし、300円スピーカーの時のように持った時の重量感はなく、見た目だけのようです。(出てくる音も低域スカスカです)
スピー化――ユニット
基板は両面実装基板です。
スピーカー出力がL/Rの2つが用意されていることから、ステレオ用と共通設計の物であると一目でわかります。

電子部品は裏面に実装されています。

オーディオアンプICは "HAA8002B" です。
ステレオ対応用にICを載せるパターンは2つ用意されていますが、左ch用のパターンだけが使用されています。 300円スピーカー、600円スピーカーにも使用されている8002の中国メーカーによるセカンドソース品のようです。
AB級回路で、VDD=4.2Vにおいて4Ω・1.55W出力が得られるとのことです。
心臓部はBLUETOOTH/USB/SDが1チップになっており "AC19AP1Y109-28B4" が使用されています。
ズバリの情報は出てきませんでしたが、メーカーサイトは見つかりました。
現行品はAC1x系ではなくAC6x系のようです。500円スピーカーは、型落ち品を安く仕入れて作ったということでしょうか。

ちなみに最新のAC690Nを見てみると、FMやFLACまで聴けるようです。
BTS-032A前期型600円スピーカーがAC17以下略、SR9001型600円スピーカーがAC18以下略、今回がAC19以下略と順調にJLのチップで来ているだけに、これは次回作に期待しましょう。
バッテリー
バッテリーは3.7V 500mAのリチウムイオンポリマー電池が使用されています。
SR9001型600円スピーカーでは300mAでしたので、こちらの方が大容量化しています。
SR9001同様、なぜかmAhとWhの両方が書いてります。

以上、2019年新発売となったダイソー500円スピーカーポータブルタイプの調査でした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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参考文献・サイト

SDカード/USBメモリのフォーマットは『exFAT』がお勧め。ファイルシステムについて - uzurea.net
SDカード/USBメモリのファイルシステムについてはこちらを参考にしました。
https://uzurea.net/flashmem_format_exfat/
TFカードって表記をよく見るようになったけど、いったいどんなものなの?|MASAMEDIA
”Play by TFcard.”とアナウンスが流れますが、恥ずかしながらTFカードという呼び方を知りませんでした。
https://www.masamedia.top/archives/1740.html