第2世代 SR9001型 - ダイソー600円Bluetoothスピーカー分解

新発売の700円スピーカーも早速分解調査!詳細は下記リンクから!
SR1323型 - ダイソー700円(税込770円)Bluetoothスピーカー(レトロタイプ)の調査と分解
第2世代SR9001型ダイソー600円Bluetoothスピーカー
ネットで話題になり、売り切れ続出になっていたダイソー600円ワイヤレス防滴スピーカー。
2019年夏、第2世代にモデルチェンジしました!
その名も "BLUETOOTH SPEAKER 2"

存在感抜群の技適マークは健在ですが、見た目が大きく変わっています。
それでは、先代と比較しながら分解していきます。

<ご注意>

このサイトを参考に分解を行い、火災、感電等がおきましても筆者は一切責任を取ることはできません。必ず自己責任で実施してください。
ダイソー600円スピーカーの技適マーク
無線機器の改造は法律により禁止されています。
このスピーカーはケースもセットでの技適と思われます。改造しなくても「分解した状態で電源を入れる」だけで違反となります。ご注意ください。

本サイトで比較対象としている先代モデルは、薄型スピーカーユニットが用いられていた 第1世代(BTS-032A型) 前期型 です。

先代モデルの情報はこちら

1、先代とスペック比較

まずはパッケージ/取説に示されているスペックを比較してみます。
ダイソー600円スピーカー第1世代と第2世代の比較
気になった点は下記2点です
・Bluetooth 3.0 対応になった
・IP防水グレード IPX4 が記載された
点です。

Bluetooth 3.0

まず通信規格ですが、高速通信ができるBluetooth3.0に対応したといっても、残念ながらコーデックはSBCです。
第2世代のコーデック確認
Pixel 3a (Android 9.0)にて
「開発者オプション」
->「Bluetoothオーディオコーデック」
->「システムの選択(デフォルト)を使用」を選択
->600円スピーカーを接続

すると"SBC"が選択されます。
試しに手動でatpX等を選択すると音が出なくなり、再接続すると自動でSBCに戻りました。

SBCは動画の音声やラジオなどの声を聴くには問題ないのですが、音楽再生にはちょっと音質が物足りません。
高音質コーデック対応のホームオーディオ用据え置き型Bluetoothレシーバーを所有しておりますが、高音質コーデックに対応しているとサブスクリプションで圧縮音源を聴く場合は有線と聴き比べても違いがわからないほどの音質が得られるのですが・・・ってさすがに600円に期待しすぎですね(笑)

なおBluetooth AVRCP は "Audio Video Contoll Protocol" つまり再生とか早送りとかのリモコン部分の規格であり、音質には関係ありません。

本題とは関係ないですが、Android 9 の開発者オプション、オーディオマニアのエンジニアが作ったのでしょうか。Bluetoothオーディオ関係の項目が画面に収まりきらないほど出てきます。

IPX4 表記

IP規格での防滴性能が仕様に記載されるようになりました。
IPX4は『水の侵入に対する保護等級=4、人体及び外来飛来物に対する保護等級はX(規定なし)』という意味になります。

4相当の防水性能とは、下記のように定められています。
つまりパッケージ通り「防滴」ということですね。
浴槽に落とす(レベル7相当)のがNGなのはもちろん、シャワーの水が直接かかる(レベル5相当)のもNGということになります。

2、分解

裏返してネジを外すを分解
先代のようにカバーがかかっているわけではなく、本体を裏返すとネジ穴が見えます。
吸盤をどかしながらプライスドライバーでこのネジ4本を外すとパカっと簡単に蓋が外れます。
蓋が外れたところ
蓋が外れたところです。
ゴムパッキン等もなく、シンプルな構成です。

スピーカーが立派です!

基板は一枚で片面一層の基板がネジ止めされており、スピーカーとバッテリーは接着されています。
充電端子ははめ込まれているだけで、引っ張ると簡単に外せます。
バッテリー
バッテリーはリチウムイオンポリマー蓄電池が使用されています。
容量は300mAh、電圧は3.7Vです。

特に電池パックとして固いパッケージには収まってない、シートでパッキングされた組み込み用のバッテリーです。

強い衝撃を与えたり鋭利なもので傷つけたりすると事故につながる恐れがありますので、十分注して作業を進めます。
基板と操作部の分解
基板を固定しているネジ4本を外すと、基板が外れ、操作部を分解できます。
操作部のゴム部品は本体側とはめ込みで固定されており、防滴性能を確保しているようです。
操作部はゴム製の棒で基板上のタクトスイッチを押すという、家電などでもよく見かける仕組みが採用されています。
ゴム部品からケーブルが伸びていますが、通話用のマイクが埋め込まれています。
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3、スピーカーユニット

次にスピーカーユニットを見てきます。
第2世代のスピーカーユニット
先代とは打って変わって、ウレタンエッジに樹脂製センターキャップという、ちゃんと「オーディオ用」のスピーカユニットが使われています。

ウレタンエッジはやわらかくてストロークが取りやすく、低音再生に向いています。
しかし、ウレタンエッジは湿度にとにかく弱く加水分解でボロボロになるという、とてもお風呂スピーカーには向かない特性を持っており、なぜウレタンエッジを採用したのかは謎です。
マグネット部
マグネットも立派です。

定格入力は5Wとなっていますが、残念ながらこのスピーカーの能力をフルに生かすことはできません。
バッテリー電圧3.7Vでは、BTLアンプでドライブしたとしても計算上で正弦波最大出力は1.7Wにとどまるためです。

∵ (3.7V/√2)^2 / 4Ω = 1.71W
先代のスピーカー
ここで先代 BTS-032A 前期型のスピーカーを見比べてみます。
先代は、安いポケットラジオやボイスレコーダに使われるような薄型ユニットが使われ、音楽を聴くのには物足らないのはもちろんのこと、ラジオ等もシャワーをしながらだと聴きづらいほどでした。

一方の第二世代型は、圧倒的にスピーカが良くなった分、音質も良くなっており、音声が聞き取りやすいのはもちろん、シャワータイムのBGMとしてなら十分音楽再生に使える音質です。
SBCコーデックしか対応していないのが残念に思われます。

先代はスピーカーのしょぼさ故に安かろう悪かろうな音質でしたが、新型は600円という値段を考えれば非常にお買い得なスピーカーといえそうです。

4、基板

マグネット部
ワンチップのBluetooth ICと、オーディオアンプICの2チップ構成です。
刻印を見ると2018年の設計のようです。
メーカー名"COLiC"は、ググっても赤ちゃんの夜泣き(Baby colic)しか出てきませんでした。

残念ながら今回も単品技適認証のモジュール構成とはなっておらず、改造はできません

オーディオアンプIcは、ダイソー定番のBTLオーディオアンプIC 8002が使用されています。
先代の600円スピーカーと、300円スピーカーもこのICが使用されています。
8002は簡単に改造ができるICなのですが、残念ながら技適がある為どうすることもできません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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