<ご注意>
このサイトを参考に分解を行い、火災、感電等がおきましても筆者は一切責任を取ることはできません。必ず自己責任で実施してください。
無線機器の改造は法律により禁止されています。
このスピーカーはケースもセットでの技適と思われます。改造しなくても「分解した状態で電源を入れる」だけで違反となります。ご注意ください。
1、はじめに
600円なのでただ音が出るだけだろう・・・なんて思っていたんですが、予想以上に機能が搭載されていて驚きました。
電源を入れてまず驚くのが、このスピーカー、電源ON時、ペアリング時、ペアリング解除時にしゃべります。またボリュームが最大に到達した際には電子音で教えてくれます。
本体にはマイクも内蔵されハンズフリーとしても使えるようです。また、スマホアプリ側が対応していれば再生・一時停止、選曲がリモートで行えます。
選曲ボタンは長押しすると音量調整ができますが、スマホのボリュームとは別に動きます。スマホのメディア音量のステップが15段階しかないため、スピーカー側でも調整できると細かい調整ができて便利です。
技適マークも凄い存在感でついていて、安心して使えますね。
電源スイッチはハードウエアスイッチになっています。粗悪Li-ionバッテリーが発火したというニュースもある中、私は安価な充電式ガジェットは少し怖いのですが、使わない時は回路を遮断して完全に電源OFFしておけるのは安心できます。
充電はスマホなどと同じmicroUSB端子で行います。充電ケーブルはUSB-Type A給電の充電ケーブルが付属してきます。
また、Android 8.1 ならば電池残量表示に対応します。(Android 7.1(Nexus 6)の設定画面では見えませんでした)
画像はペアリングした状態ですが、初回使用時も「新しいデバイスをペアとして設定する」ボタンから簡単に設定できました。
肝心の音の方は・・・ポケットラジオみたいな音です。低音が全く聞こえません。今回は300円スピーカーみたいにはいきませんでした。
音楽再生には厳しいですが、シャワールームでradikoを聴くには聞きやすい印象でした。radikoであることを忘れてポケットラジオにしか思えなくなってきますが(笑)。
スペックを見るとプロファイルは Bluetooth 2.1 + EDRで、10mまで届くようです。
メインシステムで使っているBluetooth4.0と比べると歪っぽい感じはしますが、そもそもスピーカーユニットがしょぼすぎてあまり気になりません(笑)
ペットボトルダブルバスレフとブーミングで心地よい低音が聴こえてくる300円USBミニスピーカーは、何時間でも聴いていたい!週末に300円スピーカーを聴くために平日頑張る!みたいな高級オーディオ的側面を持っていて幸せを感じられる(笑)のに対し、この600円スピーカーは・・・長時間聴くとキンキンしていて疲れます。
部屋の隅に設置してみても、そもそも低音が出ていないのでブーミングの恩恵は受けられず、曇ったような音になるだけでした。
2、防水カバー取り外し
防水カバーをめくると本体が出てきます。
結構しっかり密着していて、はじめは分解できないのかと思ったほどです。
「カバーから本体を取り出す」のではなく、「スピーカーの周りからカバーを裏返す」ようなイメージで全体均等にめくっていくと外しやすいです。 スイッチ部は基板が向き出しになっています。
充電端子部です。
本体側とカバー側に設けられた溝が組み合わさるようになっており、値段の割には防水機構がしっかり考えられている印象を受けます。
防水カバーの取り外し、取り付けの際は、充電部の蓋を巻き込みやすいので注意が必要です。
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3、スピーカーユニットがしょぼすぎ
本体のネジを外すと、上下に分かれます。
ネジ孔は4本ありますが、2本しか止められていませんでした。徹底したコストカットが行われているようです。
電池はリチウムイオンポリマー電池、基板は一枚にまとめられています。
蓋の方には薄型スピーカーと、マイクが固定されています。
スピーカーは防滴のためプラスチック振動板のユニットが用いられ、接着剤でガチガチに固定されています。
ポケットラジオやしゃべるおもちゃ等の内蔵スピーカーによく使われている、「音声用ユニット」として売られているような音楽再生には向かないタイプのユニットです。
それにしてもこのスピーカーユニット、改造する気も起きないほどしょぼいと感じるのは私だけでしょうか。これで音楽を聴こうという気は全く起きません。
これならばポケットラジオみたいなキンキンした音も納得です。
※2019年~の物はユニットが改良されているようです。
ここでダイソー300円スピーカーのユニットを見てみると、見た目からして全然違います。
こちらは強力マグネットとストロークが取れるフレーム構造を持つ、しっかりとした「オーディオ用スピーカーユニット」です。
600円スピーカーのユニットを見てしまうと、ダイソー300円スピーカーのユニットが高級オーディオのスピーカーに見えてしまいます(笑)
4、回路の改造は厳しそう
基板を取り外してみると、ケースの底にリング状の部品が見えます。
ちょうどBluetoothのプリントパターンアンテナおよび通信ICの真下辺りに位置しています。
一方基板上の回路は金属シールドで覆われておらず、高周波回路が全てむき出しで実装されています。また、基板上に技適マークや、分離可能なモジュールと思われる部品も見当たりません。
以上より、フェライトビーズで重りとノイズ吸収を兼ねた設計となっており、ケースも込みで技適認証を受けていると考えられます。
Bluetooth部がモジュールとなっておらず、別置のフェライトビーズも込みでの認証となると残念ながら 基板の改造は不可能、ケースを交換したり、分解した状態で電源を入れるだけでも違反ということになります。
基板の表面です。
目立つ部品としては、アンプIC、Bluetooth IC、水晶発振子、電源スイッチ、USBコネクタ、ショトッキーバリアダイオードが載っています。 アンプICは300円スピーカーと同じ8002が使われています。改造しやすいICなのですが、一体基板となってる以上は技適の問題があるので残念ながら改造できません。
BluetoothはAC1714AP10186-8A8というICが使われています。このICは音量調整やマイコンも一体型になったものと思われますが、検索しても出てきませんでした。
電源のパターンを見ると、USBコネクタから抵抗R10と逆流防止ダイオードD2を取って電池へつながっているだけで、表面には充電制御ICは載っていません。
電池の充放電制御ICは、電池パック側に実装されています。ところが電池とメイン基板側はプラス・マイナスの2本の線のみで接続され、通信線はありません。
スマホから電池残量が取得できますが、マイコンからは寿命や温度等も考慮した正確な残量は把握できていないと思われます。
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以上、ダイソーで新たに発売された600円のBluetoothスピーカーを調べてみました。
今回は300円スピーカーみたいに音が良いわけでもなく、技適の関係で改造もできないという結論に至りました。
ケースもそのまま使う必要がある為、おしゃれな箱に入れたりステッカーでデコレーションしたり・・・という程度のカスタマイズしかできないと思われます。