カーオーディオ用優先割込みAUX回路

0、はじめに

AUXとは ”auxiliary” の名前の通り、他のソースと同時に再生することはできない「補助」入力でした。
そんなAUXの常識にとらわれず、AUXを他ソースより優先的に再生する回路のご紹介です。

特別な制御線を必要とせず、 今まで通りAUXでスマホを繋ぐだけで、カーラジオのAUX端子にスマホナビ/ポータブルナビの道案内音声が入力されると、ダッキング制御により自動でラジオ音量を下げてミキシング!
まるで一体型カーナビであるかのようにスマホナビ音声がラジオと同時にカーオーディオのスピーカーから聴こえます!
今までラジオを聴きたい時はスマホ内蔵スピーカーから流すしかなかった道案内がラジオを聴いているときでもクルマのスピーカーから明瞭に再生されます。

<ご注意>
このサイトを参考に改造を行い、火災、感電、事故等がおきましても筆者は一切責任を取ることはできません。必ず自己責任で実施してください。

1、従来のAUXの不満点

従来のAUX
従来のAUXの不満点、それはズバリ他の入力と排他切り替えになっていることです。

従来のAUX回路図
従来のAUXは、ブロック図に示しますように他の音源と切り替え回路になっており、ラジオなど他の音源を選択している場合にはカーオーディオからスマホの音声を再生することはできません。

一方、AUX端子にスマホを接続する方法は、次の方法が考えられます。

・スマホのヘッドホン端子にケーブルを接続
・USB-DAC/アダプタを使って接続
・シガーソケット/充電式のBluetoothレシーバで接続

いずれの方法で接続していても、カーオーディオをAUX以外に切り替えた際にスマホは接続されたままとなるため、カーオーディオでAUX以外を選択している時もスマホをAUX接続している限りスマホの内蔵スピーカーは鳴りません。

つまり、オーディオにスマホを接続したまま入力をAUX以外に切り替えると、ナビアプリの音が聴こえなくなるという問題が発生します。
具体的なシチュエーションとしては、音楽アプリで音楽を聴きながらスマホナビを使っていてる状態から、ラジオを聴きたくなった時などが該当します。
解決するためには、わざわざスマホからAUXケーブルを抜く/Bluetoothのペアリングを解除する必要がありました。

ところがスマホ内蔵スピーカーで道案内を再生するようにしても、当然オーディオとスマホは独立しているため、ナビ一体型オーディオのように道案内時にラジオ音量を絞ってくれることもありません。
つまりラジオを聴きながらスマホナビを使いたい場合、「ただでさえ走行ノイズで聴き取りづらいスマホ内蔵スピーカーの道案内が、ラジオの音が被って余計に聴き取りづらくなる」という不満もあります

カーオーディオのミュート配線
カーオーディオの中には、外部ミュート制御端子を持ち、対応するポータブルナビなどから制御することで一体型ナビのように道案内時にラジオ音量を絞る機能を持つものもあります。ところが、ミュート端子はスマホを接続する設計とはなっていないため、専用のミュート制御信号を使う構成になっており、スマホからそのまま操作することはできません。(マイコンを使うなどすればできるはと考えられますが、難易度は高くなります。)

また、他にも着信時にミュートするハンズフリー通話機能付きのカーオーディオもありますが、スマホナビの案内音声はメディア音声(Android OS内部で音楽や動画の音声を取り扱うチャンネル)で再生される、つまり音楽と同等の扱いになる為、カーオーディオに着信のように割込をかけることはできません。

※スマホナビがメディア音声を使用していることは、道案内をしている最中にスマホのの音量ボタンを操作した際に動画再生中に表示されるような音符マークのスライダ(メディア音量)が表示されることで確認可能です

私の所有しているATタイヤを履いた2000年式660ccターボ車は、窓全開で高速を快走していると、「風切り音+エンジン音+ロードノイズ+タービン音」で、会話するのが困難なほど室内が騒がしくなり、当然ラジオの音量も大きめになっています。
スマホの機種にもよりますが、スマホの内蔵スピーカーで音量MAXで道案内を流してみても、やはりAUXで流す時のように明瞭には聞こえません。
Sponsored Link

2、ヒントは場内放送のダッキング制御

一体型ナビのようにクルマのスピーカーからスマホナビの音声案内を明瞭に再生するためには、下記2点を満たすAUX入力が必要になります。

・AUX以外の入力を選択していてもAUXの音を出力できること
・特別な制御信号に頼らずにAUX入力を検出し他の入力の音量をミュートすること


上記2点を満たす入力のヒントとして、場内放送用PAアンプの割込み放送機能(ダッキング)があります。
PAアンプのダッキング制御イメージ
放送設備におけるダッキング(ダッカー)制御とは、優先度の高い音源が入力された際に、自動で優先度の低い音源の音量を下げ、優先度の高い音源を放送する機能です。
ボクシングでアヒルが潜るときのような動きで身を屈めてパンチをかわす技をダッキングというのと同じで、重要な放送をかき消さないようBGMなどの優先度の低い音の身を素早く屈め(音量を下げ)ます。
具体例として店内放送を挙げますと、BGMが放送されているときにマイクからアナウンスを入れると自動でBGM音量が下がりマイク放送が流れますが、BGMは完全に無音にはならず小さく聞こえています。そしてマイク放送が終わると、BGMが自然に元の音量に戻ります。
※マイクをオンにした際にBGMがブツッと切れるタイプは、切り替えスイッチにより入力信号を切り替えるパターンの割込み放送機能です。

この場内放送用PAアンプのBGM=ラジオ等、アナウンスマイク=スマホナビ音声(AUX)とすることで目的の動作を実現できます。

3、製作する回路の構成

ポイントを先に申しますと、サイドチェインコンプレッサ + タイマー + ミキサーです。

サイドチェインコンプレッサ

サイドチェインコンプレッサの構成
サイドチェインコンプレッサとは、コンプレッサの変形版であり、コンプレッサを掛けたいとする音源とは別の入力により制御をかけるコンプレッサです。
コンプレッサとは、名前の通り音量を圧縮する回路で、音量があらかじめ設定した音量(スレッショルド)を超えたら音が大きくなりすぎないように自動で音量を絞る動作をします。
単なるコンプレッサの場合は、コンプレッサをかけたい音源自身の音量を検出していますが、サイドチェインコンプレッサの場合は別の音源の音量を検出しています。
音量調整部は、電子制御抵抗やVCA(電圧制御増幅器)などを使って数ステップ~連続的にコントロールできるタイプと、アナログスイッチと抵抗切り替えによりコンプレッサON・OFFの2段切り替え(ミューティング回路)のタイプが考えられます。
前者は録音レベルの調整など自然な感じでダイナミックレンジを狭めるような用途、後者は保護回路や放送割込みなど単純に音量を1/n倍 (n>1)したい用途に適しています。
今回は、「ナビの音声が鳴っているときにラジオ音量を下げる」だけが目的のため、後者のON・OFF切換式の音量調整回路を使用します

この2段切り替えの音量調整を実現する方法ですが、以下の2パターンが考えられます。

ミューティング(アッテネータ)式
ミューティング(アッテネータ)式
抵抗分圧回路を使用したシンプルな構成です。
次段へ接続される回路の入力インピーダンスが十分高く無視できるとすると、スイッチが開いている通常時は入力電圧がそのまま出てきます。
一方、スイッチが閉じている音量制限時は、抵抗R1とR2で分圧回路が形成されるため、出力電圧は入力電圧を分圧した値となります。
R2を可変抵抗としておくととで、減衰量を調整することができます。またR2を0Ωとすると、完全ミュート(消音)動作になります。

ゲインコントロール式
ゲインコントロール式
こちらは増幅回路のゲインを変えることで音量をコントールする構成例です。
例として逆相増幅回路のフィードバック抵抗の値を切り替える構成を示しています。
逆相増幅回路を使用するため、位相が反転して出てきます。

アッテネーター式と異なりアンプのゲインそのものをコントロールするため、ゲインを落としたときに「アッテネータ+ハイゲインアンプ」の組み合わせよりもノイズが少なくて済みますが、アンプ回路と一体構成になる為回路は複雑になります。

ミキサー

ミキサー
ミキサーとは、その名前の通り複数の信号をミックス(混合)して一つにまとめる回路です。
、ラジオとAUXの音源を同時に再生するために使用します。

電子回路的には複数の信号の足し合わせを行っており、OPアンプでミキサーを構成する際に使用する回路には「加算回路」という名前が付いています。
抵抗の設定で入力ごとにゲインを設定可能な為、入力ごとの音量差を補正したうえで混合することが可能です。
今回は2系統の混合だけですが、加算回路を使うと何系統もミキシングできるミキサーを簡単に構築することが可能です。イベント会場の音響テントにつまみが沢山ついている音響機材を見かけることがありますが、内部には加算回路が使われています。

ダッキング

ダッキングの構成
以上のサイドチェインコンプレッサとミキサーをまとめると、ダッキングを構成することができます。
優先入力に信号が入力されていない場合は、通常入力の音声のみが出力されます。
優先入力に信号が入力されると、サイドチェインコンプレッサが動作し通常入力の音量が下がり、ミキサーにより音量調整済みの通常入力と優先入力の信号が足されることで、優先入力と音量の下がった通常入力が同時に聴こえます。
ダッキングが効果的に使われている例として、EDMが挙げられます。
私はバリバリ作業したい時とかにNoCopyrightSoundsの曲をよく聴いているのですが、打楽器の音が入った時に他の楽器にダッキングがかかり、うねるようなおしゃれなサウンドが楽しめます。 ところがこの音楽制作に使われる高速応答のダッキングを カーナビ音声にそのまま使用すると問題が残ります。
ダッキングのタイミングチャート
カーナビの道案内音声は聞き取りやすいように"間"を取って読み上げられています。
この"間"はダッキングの復帰時間よりも長いため、そのままダッキング回路へナビ音声を入力した場合、音声案内に含まれる"間"の間に通常入力の音量が一瞬復帰してしまいます。
結果、通常入力とナビ音声が被ったように聴こえ、非常に聴き取りづらくなります。

”間”に対応したダッキング

間に対応したダッキングの構成
"間"に対応したダッキングの構成です。
一度コンプレッサがかかると、"間"の間は減衰状態が維持されるよう、タイマーを追加します。

間に対応したダッキングのタイミングチャート
まず、電圧検出回路でAUX入力が検出されたら、速やかに通常入力の音量を下げます。
その後AUX入力が無音になりますが、タイマーがカウントダウンを開始します。
タイマー時間の間は音量制限状態が保持され、タイマー時間経過後に入力が無ければ音声案内終了とみなし通常入力音量を復帰します。
タイマー時間は使用するナビにアプリもよりますが、個人的には1秒程度にしておくのがベストでした。

なおタイマーはロジックICやコンパレータを使わず、RC時定数によるアナログ回路でそのままMOSFETなどのアナログスイッチ素子を制御します。すると一体ナビのように、音量復帰時に有限の復帰時間をかけて徐々に音量が復帰する、ナチュラルな音量復帰動作を実現可能です。
Sponsored Link

4、製作した回路図

以上で考えた構成を実際に電子回路で実装した回路を示します。
ダッキング割込みAUX回路図

ゲインの設定

回路をうまく動作させるためには※1、※2、※3のゲイン設定が重要です。
ゲイン設定が不適切ですとノイズによる誤動作を起こしたり、逆に音声案内が鳴っていてもダッキングが反応しなかったりします。 ノイズによる誤動作は、例えば電動パワステが作動するとダッキングがかかったりエアコン入れるとダッキングがかかったりといったことが起こります。
ポイントは調整完了後にラジオと同じ音量でスマホの音が聴こえるようスマホ側の音量を調整した際、スマホの音量つまみがある程度上がった状態になっていることです。

スマホでナビを使用する際には画面が付きっぱなしになる為、シガーソケットから充電しながら使用することが多くなります。
スマホを充電している場合、充電電流変動によるノイズがどうしても発生します。
また、スマホのヘッドホン端子出力やBluetoothレシーバ出力にも、狭い空間にデジタル回路が同居している以上ある程度のノイズが含まれるのは避けられません。
スマホ本体の音量が低ければ低いほど、S/N比(案内音声に対するノイズの割合)が悪くなり、ノイズの影響を受けやすくなります。

私は以下のようなチューニングをしました。

STEP1
検出レベルを中間にした状態で
※1のAUX入力ゲインでスマホの音量つまみ位置が1/3程度でダッキングが反応(AUX表示LEDが点灯)するよう設定

STEP2
スマホ音量3/4~MAXでナビ音声を再生した際とラジオ音量が同じくらいになるように
※2で決めるAUXゲインはかなり低めに設定
※3で決めるラジオゲインは高めに設定

STEP3
スマホ音量1/2程度~でダッキングが反応するよう検出レベルを上げる

タイマーの設定

タイマーの設定は、サブタイマー・メインタイマーをバランスよく設定する必要があります。
ポイントは2点あり、
ポップノイズでの誤作動が無いこと
普段使用するナビ設定・音量で"間"の途中で復帰しないこと

です。

ポップノイズでの誤動作とは、音声案内終了後しばらく経過後に電池節約のためスマホ側の出力アンプの電源が切れた際に発生する「ポツッ」というノイズが入った際にダッキングがかからないようにすることです。使用するスマホやBluetoothレシーバの機種にもよる為、実際に使用するシステムを組み合わせてポップノイズをサブタイマでなましてコンパレータがONとならないよう調整します。
ナビ設定と音量は、タイマーの動作に極めて重要になってきます。例えばゆっくり読み上げる設定しにしているか否かは"間"の時間に効いてきますし、ナビの音量は大きめの場合と小さ目の場合でサブタイマにコンデンサを充電される電圧が変わってくるため、注意が必要です。

私はスマホナビを普段使用する状態の中で想定される最小の音量でデモ走行させながら、以下のようなチューニングをしました。

STEP1
サブタイマー抵抗※4を1MΩからE12系列で抵抗を減らしていき、音声案内終了後にいつまでもコンパレータがON(AUX表示LED点灯)しておらず、かつポップノイズで誤動作しない範囲で選択
※サブタイマーに主たる動作を任せたい場合、"間"の間はAUX表示LEDが点きっぱなしになるよう調整

STEP2
メインタイマー抵抗※5を1MΩからE12系列で抵抗を減らしていき、"間"の間に復帰せず、音声案内終了後1秒程度でナチュラルに音量が復帰するよう調整
※スパっと復帰させたい場合で、※5を小さくしすぎて"間"の間に復帰してしまう場合、サブタイマーに主たる動作を任せてもOK

その他回路について補足

レールスプリッタ部

本回路で使用しているレールスプリッタには、Vcc - Vcc/2間 のコンデンサをあえて省いています。
理由は、Vcc - Vcc/2間 の抵抗と Vcc/2 - GND間のコンデンサでLPFを形成し、オルタネータノイズに対してローパスフィルタの機能を持たせるためです。
オルタネータ
ハイブリッドでないクルマでは、写真のようなオルタネータと呼ばれる発電機をエンジンで回すことで電源が供給されています。オルタネータの中身は三相同期発電機+全波整流回路となっており、出力は「直流成分+脈流成分」になります。
脈流成分はエンジン回転数に比例して周波数が変わる為、オーディオに混入するとアクセル操作に合わせて「ヒュイーンヒュイーン」というノイズが聴こえます。

もしレールスプリッタの Vcc - Vcc/2間 にもコンデンサを付けてしまうと、直流成分は抵抗で分圧、一方交流成分である脈流はコンデンサで分圧される形になり、2/Vccにも脈流成分が乗ってしまいます。
レールスプリッタは仮想GNDとして電圧の基準になり、ミキサー部アンプの+入力に繋がっております。ここにノイズが乗ったら結果は考えるまでもないでしょう。
なお、OPアンプの電源端子に掛かる電源電圧中に含まれる脈流成分は、OPアンプ内で除去され出力端子にはほとんど出てきません。
気になる方はPSRR(電源電圧変動除去比)が高いOPアンプを選択してあげればGOODです。

タイマー部
タイマー部の構成
タイマー部は、「ナビの音声開始直後速やかにダッキングし、ゆっくり復帰する」動作を実現するため、ご紹介したLM324以外を使用する場合はOPアンプの選定に注意が必要です。

回路のように、大きなソース電流(吐き出し電流)能力が求められます。シンク電流(吸い込み電流)能力はダイオードでブロックするため気にしなくて大丈夫です。

得られるソース電流が小さいOPアンプを使用すると、コンデンサの充電に時間がかかり、音声案内開始時に速やかにダッキングすることができなくなります。
出力段がプッシュプルエミッタホロワ・ソースホロワになっているOPアンプならばよっぽど問題ないと考えられますがCMOS OPアンプなどの出力インピーダンスが高いOPアンプを使用する場合は、パワーブースター回路を別途設ける必要があります。

5、カーラジオ側の改造

実装した基盤
優先AUX回路を基板に実装したら、カーラジオ側を改造して組み込む必要があります。
回路図には記載していないバスブースト/ハイブーストを追加し、振動対策としてグルーガンで補強しました。
後から追加した部品が空中配線となっています。

私はこの基板をスピーカー内蔵カーラジオ(スズキ 39101-82M20 / ダイハツ 86120-B5111)に組み込んでいます。
カーラジオ側の改造箇所
カーラジオへの組み込み方は、電源スイッチを無効化したうえで、ボリュームの手前で信号経路をカットしてAUX回路を割り込ませます
電源はラジオ内のACC連動電源から引っ張ってきます。

最も改造しやすい共に機械式の電源SW(スイッチ)、ボリュームが一体になっている軽トラや軽バンのラジオを前提として軽く解説します。

電源周り

まず改造前の状態では、ACC電源連動の内部電源から、本体の電源SWをによりラジオとアンプ電源が制御されています。
実際はアンプIC内のスタンバイ機能や、スイッチング回路が使われている場合もありますが、簡単ため機械式スイッチで直接電源を制御しているものとして記載します。
そこで電源SWへ至るパターンをカットして直結、つまりオーディオONの状態で固定します。
これでクルマのACC電源連動でアンプの電源がONになり、走行中いつAUXから音声案内が入ってきても再生可能になります。

音声信号周り

音声信号周りでは、ラジオ部の音声出力からボリュームへ至る経路をカットし、製作したAUX回路を割り込ませます。
ただ割り込ませるだけですとラジオが鳴りっぱなしになりますので、AUX単品を聴けるよう、ラジオにスイッチを追加します。
ここでラジオSwとして元々ついている電源SWを流用することで、「電源SWでラジオON/OFF」という操作性が損なわれずに済みます。
ラジオSWカーオーディオは電源SWとボリュームが一体になっているため、パターン改造のしやすさからラジオ音声信号をON/OFFしています。
本来はラジオ部の電源を制御したほうがAUXを聴いているときにラジオ部に通電しないため省エネになりますが、消費電流数十mAの世界であり、シフトチェンジミス一回で吹き飛ぶほどの省燃費効果しかないと思われるため気にしません。

4つの使用モード

以上の改造を施すと、下表の4つの動作モードが選択可能になります。 4つの使用モード
改造例

ラジオ側改造箇所
スピーカー内蔵カーラジオ(スズキ 39101-82M20 / ダイハツ 86120-B5111)で実際に改造した例です。
電源SWとボリュームが一体のため、ボリューム周辺で改造が完結します。

音声グランドは、ボリュームの1番ピンへ接続し、グランドループを作らないように配線しています。
テキトーなところへGNDを接続してパワーアンプの消費電流変動による影響が出るようなグランドの取り方になると、最悪異常発振するため、グランドの接続位置には注意が必要です。

参考サイト

1 サイドチェイン:Side Chainとは | 偏ったDTM用語辞典 - DTM / MIDI 用語の意味・解説 | g200kg Music & Software
ダッキング制御を構成するために必要なサイドチェインコンプレッサについて解説されています。
https://www.g200kg.com/jp/docs/dic/sidechain.html
2 ダッキング:Duckingとは | 偏ったDTM用語辞典 - DTM / MIDI 用語の意味・解説 | g200kg Music & Software
本回路の最重要要素であるダッキング制御について解説させています。
https://www.g200kg.com/jp/docs/dic/ducking.html
3 Muting Circuits For Audio
※英語です
ダッキングの構成に必要な各種ミューティング回路例と解説、ミューティング回路を応用して構成したダッキング回路例が記載されています。
http://sound.whsites.net/articles/muting.html
4 アナログの基礎の基礎 トランジスタ編(16) | Venetor Sound
ラジオの音量調整アッテネータ部で使用している、MOSFETを用いたアナログスイッチについて解説されています。
http://venetor-sound.jugem.jp/?eid=97
5 OPアンプで始めるアナログ回路
本記事で登場する各種基礎的なOPアンプ回路が解説されています。
http://www.mech.tohoku-gakuin.ac.jp/rde/contents/course/mechatronics/analog.html
Sponsored Link